せりの産地、宮城県名取市を訪ねました。
- sakesobataji
- 2019年1月17日
- 読了時間: 3分

毎度お馴染みの冬の名物となりました「せり鍋」。
沢山のお客様に召し上がって頂いておりまして高い評価を頂いております。
有難うございます。

写真1 せり鍋2人前
当店ではせり鍋の御予約を頂くごとに東京都中央卸売市場葛西市場にあるお付き合いしている青果仲卸業者さんに発注します。
それなりに大きな市場ですので何でもいくらでもある、或いは揃うと思いがちですが使用しているこの根付きの高品位のせりは結構シビアでちゃんと事前発注しておかないとその場では揃いません。と言うか在りません。それだけ流通量は知れた量と言うことなのでしょうか。
そんなせりの産地に興味を抱きはじめました。
実際私の経験上、せりの栽培風景は見た事ありませんので大変興味深く訪れました。
どこへ行くにも車派の私は今回も当然マイカーで出動。片道およそ340キロ程の弾丸日帰りドライブです。
朝の5時に出発し途中のサービスエリアで休憩したりで名取に着いたのが11時頃。ちょうど良い感じのロングドライブです。
常磐道の途中の原発事故避難区域を通過する際目にした廃墟となった集落などの光景に改めて心痛めた道中でもありました。

写真2 JR東北本線名取駅
本来、土曜日に出向く予定でしたが都合により日曜日になった為現地農協はお休みで誰もいません。もっとも最初からアポ無しでの訪問でしたので開いていれば広報担当の方にでも聞いてみようかな位に思っていました。
全国で出荷量トップクラスの産地なのだから街のそこここでせりが栽培されているだろうからちょっと車を走らせれば直ぐに見つかると高を括っておりました…
が、しかし…市内のどこにもせりらしき農耕地は見つかりません。目にするのは収穫の終えた乾いた田んぼばかり。
流石にちょっと調べようと言う事でスマホで色んなキーワードで検索。
そこで見つかったのが「せり集荷所」
とりあえずそこを目指します。

写真3 せりの集荷所
日曜日なのでやはり誰もいません。
建屋の裏手を見るとそこには緑が青々と美しいせり畑(田)が!!

写真4 青々と育って収穫間近のせり
宅地の一角に忽然と現れたせり田! 感動しました! 凄いキレイ!!


写真5,6 まだ生い茂る前のせりと収穫直前のせり
そして驚いたのがまるで水草か?と思うほどの深い水の中で栽培されていて上の葉っぱだけがひょっこり水から顔を出しているのです。
水耕栽培とは頭では理解していたもののあんなに深い水の中にどっぷり浸かっていたとは知りませんでした。



写真7 流水でせりを洗浄している写真8 積立で根が真っ白!写真9 ぎっしり密度で育っています
そして運良く栽培農家の方が収穫後の水洗いをされていました。
腰下まで水に浸かりせりの土を丁寧に何度も何度も洗っています。
摘みたてのせりの根っこは東京ではなかなかお目にかかれない程の真っ白さです。
都内に運ばれるときはどうしても多少は褐色かかってしまいます。
色々とお話を伺いたかったのですがお忙しそうでしたのでご挨拶程度しか会話出来ずでしたが
洗浄作業を間近で見学出来たのはラッキーでした。

写真10 水に建てたハウス。雪対策としてハウスでも並行して育てている。
この視察で一番の驚きはせり農家は意外にも小規模で行われている事。
全国トップクラスの出荷を誇る名取と言えども思っていた規模よりも凄く小さいのだと。
昨シーズン、大雪が降って出荷が止まり焦った事もありましたがなるほど納得です。
また後継者は育っているのだろうか、廃業が相次がないのだろうか、将来出荷量は減る事ないのだろうかなど不安に思うところもありました。
そんな有難い貴重なせりだという認識を新たにシーズン終わるおおよそ2月いっぱいまで
皆さんに美味しく召し上がっていただけるよう励みます。
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